記事のポイント
- 国連ビジネスと人権の作業部会が「投資家・ESG・人権」に関する意見を募集している
- 金融業界の人権尊重責任を重要視した
- 24年6月に開かれる第56回人権理事会に報告書を提出する
国連ビジネスと人権の作業部会は9月30日まで、「投資家・ESG・人権」に関する意見を募集している。金融業界の人権尊重責任を重要視した。報告書にまとめ、2024年6月に開かれる第56回人権理事会に提出する。(オルタナ副編集長=吉田広子)
国連ビジネスと人権の作業部会は、日本政府と日本企業が「国連ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGPs)に基づき、人権上の義務と責任の履行にどのように取り組んでいるかについて、世界各国で調査を行っている。
同作業部会は23年に初めて日本を公式訪問し、ジャニーズ性加害問題をはじめ、技能実習制度、障がい者を取り巻く人権状況など、さまざまな観点で調査を行った。引き続き、調査を進め、24年6月の人権理事会に最終報告書を提出する。
同作業部会は、金融機関や投資家の影響力が大きいことから、「投資家・ESG・人権」に関する意見を募集することにした。「ほとんどの金融機関が、ESG投資と人権尊重を結び付けられていない。考慮していたとしても、S(社会)に限定されている」と指摘した。
同作業部会は、「UNGPs に準拠して行動していない企業に投資することは、人権に悪影響を与える。人権を尊重する責任に従って行動するよう求める」とした。
意見は、ワードファイル(英語、フランス語、スペイン語)で、電子メールで受け付けている。