記事のポイント
- アースデイに先駆けた調査で、日本は81%が「気候変動の影響を心配」
- 気候変動の対策強化を求める声は世界的にも80%を超えた
- 報道を通して取り組みを後押しする、世界的なメディア連携も立ち上がった
米カリフォルニア州議会は9月12日、企業にバリューチェーン全体のGHG(温室効果ガス)排出量の開示を求める州法案を可決した。全米初となる、気候変動関連情報の開示の法制度化に向けて、カリフォルニア州は大きな一歩を踏み出した。適用対象企業は、年商10億ドル以上の同州内企業で、2026年から排出量の算定・公表が義務化される。(オルタナ編集部・北村佳代子)

カリフォルニア州議会は9月12日、企業にGHG排出量の開示を求める新法案を賛成41、反対20で可決した。今後、ギャビン・ニューサム州知事が署名すれば法案が成立する。成立すると、GHG排出量を開示を義務付ける全米で初の州法となる。
「カリフォルニアの気候にとって大きな勝利だ」
「本法案によって、カリフォルニアは、企業の炭素排出に関する透明性で世界のリーダーとなる」。本法案を今年初めに提出したスコット・ウィーナー上院議員は、法案可決後、SNSにこう投稿した。
本法案の適用対象となるのは、カリフォルニア州内で事業を行う、年間売上高10億米ドル(約1470億円)以上の企業で、対象企業数は約5400社に上る見込みだ。日本企業の現地法人や日系企業も含む。
適用対象となった企業は、自社による直接排出(スコープ1)、電力購入と使用による排出(スコープ2)に加え、バリューチェーン全体を含めた間接排出(スコープ3)のすべてについて、毎年、算定し開示することを義務付ける。
算定・開示の開始時期は、スコープ1とスコープ2は2026年から、スコープ3は2027年からとなる。
「第三者認証」の取得も義務化される。スコープ1と2は、2026年から限定的認証を、2030年からはより厳格な合理的認証の取得が義務化され、スコープ3には2030年から「限定的認証」の取得が必要となる。
米SEC(証券取引委員会)は現在、上場企業の気候関連情報開示ルールの最終案を策定中だ。SECは2022年3月に初期の開示ルール案を公表したが、カリフォルニア州の法案はSEC案に比べ、上場企業に限らずすべての大企業を対象とし、スコープ3も含めた開示報告を求めるなど、より踏み込んだ内容となっている。