グテーレス国連事務総長「人類は地獄の門を開いた」

記事のポイント


  1. 国連総会ハイレベルウイーク中に、気候野心サミットが9月20日に開かれた
  2. グテーレス事務総長は「人類は地獄の門を開いた」と危機感を示した
  3. 岸田文雄首相は発言の機会を得られず、欠席した

第78回国連総会ハイレベルウイークの期間中、気候野心サミットが9月20日に開かれた。アントニオ・グテーレス事務総長は「人類は地獄の門を開いた」と危機感を示した。同サミットは野心的な気候変動対策を進める34カ国だけが発言権を得られ、岸田文雄首相は欠席した。(オルタナ副編集長=吉田広子)

20日に開かれた気候野心サミットで、気象災害への危機感を示したグテーレス国連事務総長(UNwebTVから)

NASA(米航空宇宙局)は9月14日、2023年の夏の世界の気温は、1880年に観測を始めて以来、地球上で最も暑かったとの分析結果を公表した。6月から8月の気温は、1951年から1980年の平均的な夏よりも1.2度暑くなった。

欧州連合(EU)のコペルニクス気候変動サービスによると、世界の8月の平均海面水温は2016年の最高記録を破り、20.98度に達した。

NASAのビル・ネルソン長官は、「猛暑や山火事、洪水まで、異常気象は世界中で命や暮らしを脅かしている。気候変動の影響は地球と将来世代に対する脅威だ」とコメントしている。

20日に開かれた気候野心サミットで、グテーレス事務総長は、「人類は地獄の門を開いた。このまま変わらなければ、気温が2.8度上昇し、危険で不安定な世界に向かうことになる」と危機感を示した。

企業に対しては「真にビジネスを行うすべての企業は、国連が提示した推奨事項に沿って、確実に排出量を削減し、気候正義を実現する正当な移行計画を作成する必要がある」と強調。「人類の未来はあなたの手の中にある。計画を行動に移し、流れを変えよう」と訴えた。

同サミットで発言権を得られたのは、ドイツやカナダなど34カ国だけだ。岸田文雄首相は発言の機会を得られず、欠席したようだ。

yoshida

吉田 広子(オルタナ輪番編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。2025年4月から現職。執筆記事一覧

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キーワード: #脱炭素

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