
環境エネルギー政策研究所、気候ネットワーク、ストップ・フロン全国連絡会のNPO3団体は11日、エアコンの冷媒として代替フロンの一種「HFC32」を単一冷媒に使用するのは温暖化対策の先送りであるとする声明を発表した。
HFC32はジフルオロメタンとも呼ばれ、他の代替フロンと混合した「HFC410A」としてエアコンなどの冷媒に用いられている。空調機器メーカーのダイキン工業は9月27日、HFC32のオゾン層破壊係数がゼロであり、またHFC410Aよりも温暖化係数が低くエネルギー効率に優れることから、今後は世界で初めて混合せずに単一冷媒としてエアコン等に使用すると発表した。
声明では、HFC32を単独使用する際の問題点として(1)極めて可燃性、引火性が高く、常温では安定だが高温で分解するとフッ化水素などの有毒ガスを発生する(2)地球温暖化係数の20年値が2330と高いこと、を指摘。持続可能社会を目指す上ではフロン類からの脱却と、CO2などを用いた「自然冷媒」への転換が必要だとしている。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年10月12日